【ギフテッドな日々】障害と天才の挟間より速報

動作性IQ141ギフテッド。そんな人の視点から見た世界をつらつらとつづっていきます。

モラハラ夫の生態

 昨日、大人の発達障害の検査(wais-Ⅲ)を受けてきたので、それについて書こうと思ったのだけれど、今日ついたスターを辿って辿り着いたブログ主さんbolla.hatenablog.comに触発されて、やっぱ元旦那の事を書こう、と思い立った。

 日常生活の中で、元旦那の事を思い出す事はほとんどない。今更考えても仕方がないし、あえて思い出すと気分が悪くなる、という事もある。ただまぁ、その……先日のエントリーでも書いたように、近々息子に、少なからずお父さんについての話をしなければならない、という事もある。そんな時に関連記事にスターを頂けたのはいいきっかけだった。

簡単に馴れ初め

 私の元旦那は10歳年上でした。結婚当時、私が26歳、元旦那は36歳。今現在の私よりも年上なんですね。当時、私は七坪ほどの小さな居酒屋を一人で経営していて、SNSで知り合った元旦那が、旅がてら(二つ向こうの県から)そこに遊びに来てくれたのがきっかけ。お付き合いしていた時は本当にいい人で、お店の常連さんからも、この人ならいいんじゃない、と言ってもらえるような人だった。
 けれどもお付き合い、同棲、妊娠(ほぼ結婚前提だったが、こちらが先だった)、結婚を通して、徐々に本性というか、性根が解っていく。
 今思えば、彼の住んでいる県に移住して、結婚前提で同棲をする事になった時、彼の上の妹さんに「本当にいいの?」と聞かれたのはそういう意味だったんだと思う。

モラハラ事例

 元旦那はいわゆる、“キレる”タイプの人間だった。
 しかもどこがスイッチになるか分からない。例えば買い物した時。大きい袋と小さい袋があって、余裕があったから小さい方の荷物を大きいビニールに入れて彼に渡した。その時に「小さい方の袋の口を縛って入れてよ」とのご指摘。「えー、別にいいじゃん、すぐそこまで運ぶだけなんだし」と私。今思えばその場で縛り直して渡せばいいだけだったんですけどね、私もおおざっぱな性格なもので……まぁこの程度のやり取りは、どこのご家庭でも普通にある事だと思うんです。
 問題はその後。「あー、雑だ」「雑だ雑だ雑だ!」延々と言い続けるんですよ。店を出て車に向かうまで。さすがに私も腹が立って「そんな大した事じゃないじゃん!」くらいの反論をしたと思います。そうしたら、駐車場の真ん中で額にビンタ食らいました。その後、車内で「俺が間違えて小さい方の袋の取っ手を持ったら、落とすだろ!」「考えが甘いんだよ!」とガチギレ。

 これ、そんなに私、悪いんでしょうか?

 妊娠中もひどかった。出産後の事を考えて、今よりも大きいアパートに引っ越す事になり、業者さんに来てもらった当日。私はつわりで気持ち悪くて、壁にもたれて座っていました。業者さんの目を意識したんでしょうね。私に掛けた言葉は「しっかりしろよ、情けない」
 もう大分お腹が大きい時に「台所の床が汚い!」「こんなところで生きられるはゴキブリだけなんだよ!」とキレられてその場で雑巾掛けさせられて、不正出血(無論、ゴミ屋敷のような汚さではないです。本当に床拭きできれいになる程度)
 出産後も乳腺炎で42℃の高熱が出て、息をするのも苦しくて、布団で小さく唸っていたら、隣の部屋から掛けられたのは心配の声ではなく、「あーあーうるさいよ」

 もう数え上げればきりがないんで、この辺で。
 一応、私も色々と努力はしました。今思えば彼が神経質過ぎるというのもあったと思いますが、確かに私はおおざっぱな性格ではあったので。彼が買ってきた片付けの本を読み、家中を断捨離し、整理整頓もしました。

自分勝手事例

 結婚した時も離婚した時も言っていたのですが、彼曰く、年上の自分がリードしていかなくては、と思っていたようです(リードするほどの能力も人徳もないくせに……ボソッ)。もうこの時点で私を下に見ているんですよね。

 でも彼の問題はそれだけではなく、更に私の事を、自分の全てを受け入れてくれる受け皿、と思い込んでいた部分。どんな嫌な部分も恥ずかしい部分も、私なら全て受け止めてくれる、と当然のように思っていたようです。しょっちゅう“俺の嫁”という表現をしていましたしね。

 ではもう一つ事例を。その日は休日で、家族三人でお出かけしよう、という事になっていました。いざ、車に乗って家を出る、という時に、生協(うちは生協を取っていた)のトラックが入ってきました。その前日、当時1歳だった息子が商品を入れる箱のふたを壊してしまっていたので、私は「あ、ちょっと待って! 担当の人に一言謝ってくる!」と言いました。
 元旦那は何も言わずに車を発進させました。

私「……ねぇ、なんで? 子供がした事とはいえ、お借りしている物を壊したら、謝りにいける状態だったんなら謝るのが普通じゃないの?」
元旦那「あーあ、これからせっかく遊びに行くのに、楽しくなくなった!」

 絶句、ですね。

 こんな子供みたいな人います? 38歳(当時)ですよ? その後、素直になったつもりか「早く君達と遊びに行きたかったんだよ~」とか言い訳にならない言い訳してましたが。

モラハラ夫の生態

 色々と書き連ねてきましたが、すぐにキレる、という点では本人も生きづらさを感じていたようです。
 正確には、キレるに至ってしまう過程に、ですね。私がかなり限界に近かった事もあり、元旦那の性格について対話をしたり調べたりもしました。その結果、元旦那はHSP(繊細な人、些細な事に敏感である他人。人間の20%が当てはまると言われている)という表現に出会い、これがしっくり来たようです。元旦那の場合は、繊細な自分を守るのに必死で、そのために人を傷つけてしまう、という感じでしょうか。元旦那の父親も変わった人で、高校受験の時に両親の離婚があり……などといった環境も、繊細な性質と相まって人格形成に大きく関わっていたと思います。

 ただ、それだけではなかったとも思います。
 人の気持ちが分からない……というより、どう接していいのか分からない、どう表現すればいいのか分からない。自分を客観的に見られない。そんな問題もあったような気がします。
 元旦那が高熱に苦しむ私を、うるさい、と一蹴した時、「自分もそうだった。自分は痛くても我慢してきた」と言っていましたが、その何か月か前、元旦那は歯痛で、私と同じように布団であーあー唸っていました。その事を指摘し、「その時にも私は、あなたに対して、うるさい、なんて言わなかったよね?」と言ったら黙ってしまいました。

 もしかしたら元旦那は、自分自身がされた教育を、修正できないまま引きずっていたのかもしれません。そして私を、自分を受け入れて癒してくれる道具と勘違いし、自身や私を顧みる事を忘れていたのかもしれません。もしかしたら、自分の感情には敏感でも、他人の身にはなれなかったのかもしれません。私達と同じように、HSP以外にも性格特性を持っていたのかもしれません。

手遅れ

 ただ、気付くのが遅すぎました。
 たとえ夫婦の問題解決に向かうための、新たな道筋が見えたとしても、もう共に、それを追う気力は私にはありませんでした。

「離婚してください」

 実家から、電話越しにそう伝えました。
 小考の間をおいて、彼から「苦労するよ」と返ってきました。
 あなたと生活を続ける以上の苦労なんてありえない。その言葉を押し殺して、私は「うん」とだけ答えました。


 モラハラ夫の生態についてはこれでおしまい。