【ギフテッドな日々】障害と天才の挟間より速報

動作性IQ141ギフテッド。そんな人の視点から見た世界をつらつらとつづっていきます。

社会から取り残されたギフテッドは大学に行くことを本当におすすめする

 ※これまでのあらすじ
 うつになって心療内科に通い、WAIS-Ⅲという知能検査を受けた結果、『知識(いわゆる学校で教わるような勉強。後天的に伸ばすことが可能)の数値だけが著しく低い天才』と判明。医師の所見文で、遠回りでも一から資格や技能を身につける(学び直す)ことをおすすめされる。色々考えた末、放送大学通信制の大学)に入学し、とりあえず学士取得を目指すことに。


 という訳で、今月あたまに待望の放送大学入学許可証が届きました。
 それに遅れる事2日ほどで、印刷教材も届きました。


 私は2019年4月入学の学生ですが、放送大学の場合、インターネット配信授業ならば4月を待たなくても準備出来次第で先に学習を始めることができます。
 テンションアゲアゲでさっそく講義を聞いてみたので、その感想をばーっと書いていきたいと思います。
 

はじめての放送大学

 今日までに私が受けた講義は以下の通り。

・基盤科目『自然科学はじめの一歩』
 45分×10回まで受講

・基盤科目『日本語リテラシー
 45分× 5回まで受講

・導入科目『心理と教育へのいざない』
 45分× 2回まで受講

 ちなみに上記全て全15回構成。
 基盤科目とは、大学生として必要な素養というか、文字通り基盤を養うための科目ですね。導入科目は、入学時に選んだ専門(私の場合は『心理と教育』コース)の入り口となる科目。

『自然科学はじめの一歩』

 まず最初に手を付けてみたのが『自然科学はじめの一歩』

 『心理と教育』コースを選んでいるのに、何故最初に自然科学に手を付けたかというと、

 ①学士を取得するためにはどのみち、興味以外の分野も避けては通れない道だから
 ②手広く学ばなければならない基盤科目がどんな感じなのか気になる
 ③はじめの一歩、というタイトルなので、そんなに難しくなさそう(笑)

 という理由から。

 案ずるより産むがやすし、ということで、とりあえず講義を聞いてみる。

 するとなんとまあ、これがめちゃくちゃ面白いではないですか!

 高校までで習うような詰め込み式の授業とは全然違う。宇宙、地球、生態系、物理etc. 物事の仕組みを分析して考えるというか、これまで考えもしなかった疑問に仮説や検証、法則性から答えを出すというか。まぁ分野によってやり方は違うんですけれども、とても論理的で分かりやすく、そして面白い!

『日本語リテラシー

 次に見てみた『日本語リテラシー』も実に面白かったし、とても役に立った。

 国語は得意なので正直、最初はなめてました。今は猛烈に反省しています(笑)

 私達が普段使っている日本語を“漢字、かな、カナ”とか“和語、漢語、外来語”のように分類して、その表記や語種そのものに含まれた意味を読み解いていったりするのですが、これ本当に科目選択して大正解でした。個人的には『心理と教育』コースに組み込んでもいいんじゃないか、ってくらい。

 まだ全15回中1/3しか進んでいませんが、例えば自分のブログの書き方の傾向や、その傾向から何を求めているか。新しい横文字(例えば“イノベーション”“インフォームドコンセント”など)の訳の分からない感じの正体はなんなのか、というようなことの答えが、全てこの、たった5回の授業の中に集約されていました。

 そして授業に使われる課題文がまた秀逸。

 なにせ、大好きな彼氏さんと離れ離れになることが確定してメンタルブレイクしていた私を、一日で立ち直らせるだけの効果がありましたからね。(ちなみに私が救われたのは、“言葉が持つ社会性について説明した文章”ですが、長くなるので割愛)

 『心理と教育』を学んで、実際に体現する場合、多くの場合は日本語で表現(もしくは情報享受)することになるのだから、絶対に『日本語リテラシー』は役に立つと思うんですよね。その役立ち度を差し引いても面白かったです。

『心理と教育へのいざない』

 で、最後に、せっかくだから心理学っぽいものにも手を付けてみようかー、と開いたのが『心理と教育へのいざない』

 これは音声のみの授業かつ初の導入科目だったのですが、問題なく面白かったです。前述した2科目のように映像を通した“遊び”の部分がないので、そういう意味では大変ですが、自閉症スペクトラムの子どもを持つ私としてはこれも本当に役に立ちました。教育を社会学と絡めて捉えることで、(はた目からは)周りと同じことができない自閉症スペクトラムの現実を、どう未来に繋げていけばいいのかが見えてくるような気がします。

 この科目はまだ2回までしか受けていないので、この先も期待大ですね。

ギフテッドに大学をおすすめしたい理由

 とまあ私の体感から、大学授業の面白さを並べてみたのですが。

 勢いに任せて書いたので手落ちも多々あるかと思いますが、私のような落ちこぼれギフテッドの諸兄姉に、なんとなく大学の授業って面白いんだ!と思っていただければこれ幸いにございます。というか、もう論文とか以外では理路整然とした文章は書かないかもしれない。『日本語リテラシー』で判明したことだけれど、紆余曲折を経て自分の正しさを証明しなくてもよくなった今、プライベートでの論理的な文章はただ疲れるだけなのだ。

 少々脱線しました。話を元に戻しましょう。

 なぜ私がここまで大学や勉強を推すのかというと、日本にはギフテッドという概念がなく、本人が発達障害と似たような特性に悩まされていても、知能が高ければなんとかなるだろうということで、特別の支援を受けることができないからなのです。

 つまり、自力で何とかするしかない。

 事実、私達は恵まれていて、ただ生き延びるだけならおそらく困ることはない。ただし、自分らしくのびのびと生きられるかと言えば話は別だ。

 日常の退屈に耐えたり、自分と世間とのつじつまを合わせたりしながら生きているなら、本当に一度、大学という選択肢を視野に入れてほしいのです。誤解を恐れずに言えば、大学には私達のような奇人変人がいっぱいいて(←ちなみに私が掛かっていた医者の言葉)、理屈の通った面白い話や、探求の糸口を山のように用意してくれているから。


 ちょっと、世の中に中卒&高卒&専門卒のギフテッドがどれだけいるか分からないけれども、もしかしたら自分と同じような境遇の人(もしくは自分の子供がギフテッドとか)がいるかもしれないと思い、体験談を書かせてもらいました。どこかで誰かの参考になればいいなと思う。